| 松田: |
「岡は、マスコミ業界にいるんだから、出版社を知ってるだろ?」
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| 岡: |
「テレビの広告業界と、出版業界って違うんだよ。」
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| 松田: |
「えっ?? そうなの??
マスコミ業界だから、つながりがあるんじゃないの?」
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| 岡: |
「そーでもないんだよ。
全く違う分野の人たちから見ると、
同じに見えるんだろうけど・・・。」
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| 松田: |
「そっかぁ・・・。」
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| 岡: |
「何か、出したいものがあるのか?」
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| 松田: |
「うん。そんなところだ。」
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| 岡: |
「だけど、もう、何冊か出してるんだから、
そっちを当たった方が早いんじゃないか?」
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| 松田: |
「あー・・・。
ビジネス本じゃない分野の出版社を、岡なら知ってんじゃないか、
と、思ったんだよ。」
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| 岡: |
「フーン・・・。もっと、一般的なものを書きたい訳ネ?」
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| 松田: |
「鋭いネェ・・・。」
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| 岡: |
「ああ。その気持ち、分かるもん。
だって、オレたちも、もう50じゃないか。残り10年だろ?」
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| 松田: |
「もうちょっと、あるんじゃないかぁ?」
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| 岡: |
「まあ、それでも10年ちょっとか、15年さぁ。
オレは10年って考えてる。
10年とすると、
『オレの作れるコマーシャルも、あと100本かな?』
と、思うと、あせる。
『何かを残したい!』って、切実に思うときがある。」
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| 松田: |
「へー!!岡でも、そんなこと思うのかぁ?
もーたくさん残したんじゃないのか?」
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| 岡: |
「いや、松田な、100本コマーシャル作ったって、
いいものは、2コか3コだぜ。」
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| 松田: |
「オイオイ、そんなこと、スポンサーに言うなよ。
聞いたら怒るぜ。」
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| 岡: |
「あー、分かってるよ。
いろんな作品を作るじゃないか。
ただなぁ・・・、作品の評価は、人によって違うんだよ。
だから、オレは、自分の作品は、
自分で評価をしないことにしてる。」
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| 松田: |
「どーいうこと?」
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| 岡: |
「一生懸命、クリエイトして、作品が出来るじゃないかぁ。
そのときに、『よし、これは!』と、自信のあるものが、
けっこうダメなんだよ。
ヒットしない。」
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| 松田: |
「フーン・・・。」
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| 岡: |
「やるだけやって、作って、
でも、『どーしても、こりゃダメだ!』と思う作品もあるんだ・・・。
最初から作り直す訳にもいかない。納期とかあるだろ?」
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| 松田: |
「うん。」
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| 岡: |
「だから、ゴメンなさいって、出しちゃうんだ。
とりあえず、納めておいて、
『次作でガンバロウ!勘弁!』って、気持ちなんだ・・・。」
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| 松田: |
「へー!!!そんなもんかぁ・・・。」
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| 岡: |
「そーゆーのに限って、『岡さん!ザンシンですネェー!!』とか、
言われたりして・・・。
『岡さんの発想は素晴らしい!』なんて、褒められたりする訳よ。
こっちは、ゴメンなさいって気持ちなんだけど。」
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| 松田: |
「へー・・・。」
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| 岡: |
「そんなこと、言えないじゃないかぁ。
『そんなこと考えて作った訳じゃありません』なんて。」
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| 松田: |
「まあ、そーだなぁー。」
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| 岡: |
「だから、オレは、自分の作品は、自分で評価をしないんだ。」
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| 松田: |
「フーン・・・。」
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| 岡: |
「だけど、自分が納得するもので、
世の中に認めて貰いたいっていう気持ちが、フツフツと湧くんだ。
そう考えると、10年しかないって、思う・・・。」
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| 松田: |
「・・・・。」
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| 岡: |
「松田の目を見りゃ、お前も同じようなこと考えてるのが分かる。
だから、オレに会いに来たんだろ?」
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| 松田: |
「うん。そーだ・・・。
鋭いなぁ・・・。お前、昔から、そんなに鋭かったっけぇ?」
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| 岡: |
「お前こそ、相変わらず失礼なヤツだなぁ!!」
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