外貨メール
新生銀行 外貨メール ◆ 外貨談義 ◆  2007年09月10日
今週のテーマ:投機筋

@投機筋とはなんでしょう。

マーケット(外国為替市場)で、「投機筋」といった場合に、明確に、「どれが投機筋であるか?」「何が投機筋であるか?」といった明確な定義はありません。
漠然と使われる言葉が「投機筋」です。
 マーケット(外国為替市場)が、明確な原因が不明で大きく上昇したり、大きく下落した場合に、投機筋の大量の売買(外国為替取引)を理由にすることが多いようです。

 外国為替レートは、売買を伴わずに、レートだけが勝手に動くことはありません。例えば、米ドル円レートが下落する場合は、必ず、大量の米ドルの売りが出ています。
 こういった場合に、具体的に、どこの誰が売っているのか、よく分からないことが多いのです。そういったときに、「投機筋の大量の米ドル売り」といった表現が使われます。

最近のマーケット(外国為替市場)では、米系ヘッジ・ファンドなどが、漠然と「投機筋」と呼ばれることも多いようです。

A投機筋の取引は、市場にどんな影響をおよぼしますか?
(ディーラー時代実際に相場が大きく動いた、など実例あると幸いです)

 1998年10月に起きた、LTCMショックは、有名でしょう。
 米国ヘッジ・ファンド、「Long Term Capital Management(ロング・ターム・キャピタル・マネジメント/通称LTCM)」は、ノーベル経済学賞を受けたマイロン・ショールズとロバート・マートンという有名人いたことから、世界各国の証券会社・銀行などの機関投資家、富裕層から大量の資金を集めます。
 ところが、1997年「アジア通貨危機」、1998年の「ロシア危機」で、「質への逃避」が起こります。
リスクを避けるために、より安全性(信用度)・流動性(換金性)の高い投資対象を求める行動を指して、「質への逃避」と言います。資金シフトが起こりました。
為替変動リスクを回避するために、資金を自国の金融商品へシフトすることも「質への逃避」です。その結果、LTCMは破綻します。

 LTCMを代表とする米系ヘッジ・ファンドなどの「投機筋」が、米ドル円を売った結果、ドル円レートは、10月初旬の二日間だけで(48時間で)、約30円の大暴落が起こりました。


B短期で主に為替差益を狙う取引には、どのようなリスクが伴うのでしょうか。

 北米先住民(アメリカ・インディアン)は戦利品として、敵の頭の皮を剥ぎ取った。
 "Scalp" は、その剥ぎ取った頭髪のついた頭皮のこと。『薄く頭皮を剥ぐ』という意味から転じて、ディーリングで、薄く利鞘を剥ぐように、稼ごうとする売買手法を、『スキャルピング』と呼びます。

 例えば、マーケットで買い気配が強い時に、買いから入って、短時間(数秒〜数分程度)で、1、2ポイントから数ポイント程度の利益を狙って、売り逃げるような売買のやり方。
 日本語では、『小掬い商い(こすくいあきない)』と言います。

 相場の動きは不測なものだから、目先の少額の利益を狙って売買しても、結果として思惑が外れて、大きく損をすることもよくある。
 「投機筋」が大量の売買を仕掛けたときなどには、簡単に大損になります。

 それで、英語の『スキャルピング(Scalping)』も、日本語の、『小掬い商い』も、よく考えずに、目先の利益を狙う売買手法、といった『軽蔑した・小バカにした』ニュアンスを含んでいる。
 『小掬い商い=スキャルピング』はしない方が良い。




新生銀行 外貨メール ◆ 外貨談義 ◆  2007年09月03日
今週のテーマ:「クロス取引」

(1)クロス取引とは何でしょう。

「現在の基軸通貨である【米ドル(USD)】に対しての為替取引」ではない、「【米ドル(USD)】以外の組み合わせの通貨間の為替取引」を、「クロス取引」と呼びます。
クロス取引で取引される「為替レート」を、「クロス・レート」と呼びます。

 「クロス・レート」は「基軸通貨である【米ドル(USD)】に対しての為替レート」が決まっていれば、計算して導くことが出来ます。

(2)どの通貨間のクロス取引が多いのでしょうか?

 日本では、一般的に「対円の為替レート」のことを「クロス・レート」と言うことがありますが、本当は、「クロス・レート」は「対円の為替レート」に限りません。
 
対円でのクロス取引では、「ユーロ/円(EUR/JPY)」「ポンド/円(GBP/JPY)」が多く取引されています。
「オーストラリア・ドル/円(AUD/JPY)」も、比較的多く取引されています。

「クロス取引」で多いのは、「ユーロ/ポンド(EUR/GBP)」「ユーロ/スイス(EUR/CHF)」などの欧州通貨間での取引です。

(3)プロの目から見た、今後注目のクロス取引を教えてください。

素直に「ユーロ/円(EUR/JPY)」「ポンド/円(GBP/JPY)」に注目しています。
この夏以降、「サブプライム・ローン問題」から、「円キャリー・トレードの解消」が起こっています。そのため、クロス円レートは、大きく下落しました。
8月下旬になって、そのリバウンド(修正上昇)が起こっていますが、「サブプライム・ローン問題」は根の深い問題で、一気に解決することはないでしょう。
そういった意味で、「円キャリー・トレードの解消」が収束したとは考えていません。
再度、対円のクロス取引が注目を集めるだろう、と考えています。



新生銀行 外貨メール ◆ 外貨談義 ◆  2007年08月27日
今週のテーマ:質への逃避


(1)どのような状況下で起こるのでしょうか?

「質への逃避」とは、英語の"Fly to quality"を和訳したものです。
何らかの理由で、金融市場が混乱するなどして、リスクに対する不安心理が高まると、投資家たちは、リスクを避けるために「より安全性(信用度)・流動性(換金性)の高い投資対象」へ投下資金を移動させる行動に出ます。

2007年7月下旬以降「サブプライム・ローン問題」を材料に、金融不安・株安が広がりました。このことから「米国へ投資されている資金の引き上げ」を促し、「リスク回避」、つまり、ヘッジ(Hedge)意識が高まるっています。

(2)株から債権への資金移動意外に、他に、どのような「質への逃避」があるのでしょうか?

「質への逃避」の代表的な例には、以下のものがあります。
「価格変動リスクの高い株式から、債券へ資金を移動させること」
「新興諸国市場(エマージング市場)から先進国市場へ資金を移動させること」
「為替変動リスクを回避するために、外貨に投資していた資金を自国に引き揚げること「債券の中でも社債や住宅ローン担保証券などから国債へ資金を移動させること」

(3)為替、金利に及ぼす影響を教えてください。

「質への逃避」は、「為替変動リスクを回避する」行動を呼び起こします。
そのために、「円キャリー・トレードのアンワインド(解消)」が起こります。
つまり、対円での、外貨レートが下落するという影響が出ます。

また、「質への逃避」は、株式から債券への資金シフトを惹起(じゃっき)します。
それは、リスクの高いものから、リスクの低いものへの資金シフトだからです。
そのため、「米国国債(T-Bond)の買い」となり、米国国債利回り(=長期金利)は低下します。
米国長期金利も下落気味ということは、日米金利差縮小であり、「円キャリー・トレードのアンワインド(解消)」は、ますます出ることになります。



新生銀行 外貨メール ◆ 外貨談義 ◆  2007年08月20日
今週のテーマ:シカゴIMM

投機筋の動きを推測するには、このマーケットの指標を見れば為替が急速に変動するリスクをある程度推測することができると言われているようですね。

今週のテーマ:シカゴIMM

@シカゴIMMとは、どのような指標なのでしょう。

シカゴIMMとは、シカゴ・マーカンタイル・エクスチェンジ(CME)という取引所(先物取引所)にある国際金融先物市場(IMM)のことです。ここで「シカゴIMM通貨先物」の取引が行われています。ここで取引される通貨先物はフューチャー(Future)と呼ばれます。
三月、六月、九月、十二月のそれぞれの第三水曜日に決済日が決まっていて、その決済日のレートを取引します。
三月、六月、九月、十二月を限月と言い、それぞれの取引を、「マーチ・コントラクト(March Contract)」「ジューン・コントラクト(June Contract)」「セップ・コントラクト(September Contract)」「デック・コントラクト(December Contract)」と呼びます。
シカゴのフューチャー(Future)は、取引をする人達が取引所に集まって売買をしています。だから、フューチャーは取引所が開かれている一定の時間だけしか取引できません。

IMMで取引されている、円やユーロを始めとする上場通貨の取引状況を知ることができます。

AシカゴIMMは、いつ発表されるのですか。

米国商品先物取引委員会(CFTC)のホームページで、毎週公表されています。
この資料は毎週金曜日に、その週の火曜日現在の計数が発表されます。
速報性の点でも評価をする人がいるようです。

Bどのように読み取ればよいか、教えてください。

IMM資料の中で「非商業部門(Non−Commercial)」と分類されている取引が、ヘッジファンドなどの投機筋の動きを反映している、と、言われています。
「非商業部門(Non−Commercial)」のポジションの変化を読むことで、ヘッジファンドなどの投機筋の動きを推測して、今後の外国為替市場で、彼らがどう動くかを推測しようとします。

いわゆるシカゴ筋の動向(IMMポジション)が、全てを表しているわけではない。
しかし、これがマーケット全体の縮図、と考えることもできる。
IMMポジションの偏りは、マーケット全体のポジションの偏りを表している、と考える訳です。

私は、あまり参考にはしていませんが・・・。
(^0^)/♪



新生銀行 外貨メール ◆ 外貨談義 ◆  2007年08月13日
今週のテーマ:オプション

アメリカの信用不安で円キャリートレードが後退し、米株投資家の恐怖心理度合いを示す指数として知られるシカゴ・オプション取引所のボラティリティ・インデックスは4年ぶりの高水準を付けているとのことですね。

(1)オプションについて簡単に説明をお願いします。

外国為替のオプション取引は、特定の期日に、ある通貨ペアの「買う権利」「売る権利」を売買します。
例えば、米ドル/円のオプション取引で、米ドル/円の[115.00]を「売る権利」を買ったとします。
その場合は、米ドル円レートが、[115.00]以下になっても、---具体的に、[112.00]であっても、---期日に、[115.00]で米ドル/円を売ることができます。

(2)ディーラー時代に培われた、オプションのテクニックがあれば教えてください。

 「リボルビング・オペレーション」と呼ばれるテクニックがあります。
 例えば、現状の米ドル円レートが、[118.00]とします。その際に、米ドル円レートが下落すると考えて、米ドル/円[115.00]を「売る権利」を、100万ドル分、買ったとします。(その際には手数料がかかります)
 思惑通りに、[115.00]まで下落したら、米ドル/円の[115.00]を100万ドル買います。
 それ以上、円高が進んでも、米ドル/円の[115.00]を「売る権利」を持っているのですから、損をすることはありません。(その場合は、初期の手数料がコストとなります)
 [115.00]から、米ドルが反発上昇したら、[115.00]で買った米ドル/円を売って、利益を出します。そして、また、[115.00]が来たら、再び米ドル/円の[115.00]を100万ドル買い、反発上昇したら売ります。それを、何度でも繰り返します。(初期に払った手数料以上に利益が出れば、トータルで利益になります)

(3)オプションの動きを予想するのに、何か参考になるものはありますか?

 専門的になりますが、オプション取引は、ボラティリティ(volatility) の売買です。
「これから、相場が大きく動きそうだ」と考える市場参加者が増えると、ボラティリティは上がる(大きくなる)。逆に、「これから、相場の変動が小さくなりそうだ」と考える市場参加者が増えるとボラティリティは下がる(小さくなる)。
 これは、「オプション取引」をしている市場参加者が、実際に「ボラティリティ」を売買しているからです。この相場の変動性をボラティリティと呼びます。ボラティリティはパーセント(%)で表されます。
 マーケットのセンチメント(相場の全般的な雰囲気、全般的な状況、多くの市場参加者の思惑など)を読み取るように、丁寧に、見ることが一番重要です。



新生銀行 外貨メール ◆ 外貨談義 ◆  2007年08月06日
今週のテーマ:ECB

8月3日トリシェECB総裁が記者会見で9月利上げの可能性を示唆したため、
ユーロが反発しました。


今週のテーマ:ECB

(1)ECBの役割を教えて下さい。

ECBは、European Central Bankの略で、欧州中央銀行のことです。
 ECBは、1998年6月に発足。確固たる独立性を有し、ユーロ圏の物価の安定を主要目的に、ユーロ圏の統一的な金融政策を行っています。
 また、域内の金融政策の策定、為替操作の実施、加盟国の公的外貨準備の保持・管理、決済制度の円滑な運営と促進などを行います。
物価の安定とは、「2%未満であるがその近辺(below but close to 2%)」と定義されています。
ユーロの政策金利を決めるのは、欧州中央銀行理事会(ECB理事会)です。

 
(2)トリシェECB総裁は8年と長期政権ですが、彼の政策の特徴を教えてください。
(日本で8年はありえないですよね。よっぽどの手腕なのでしょうか)

特別に、トリシェECB総裁の任期が長いか、否か、は、個々人の感覚によるので、何とも言えません。個人的には、正しい判断をしてくれれば、それで良いと考えます。
アラン・グリーンスパン氏は、1987年から2006年まで、約20年間、連邦準備制度理事会(FRB)議長を務めています。
トリシェECB総裁自身の政策の特徴はありません。特段の偏りがなく、至極ノーマルな正統派といった印象です。

金利政策に関しては、各国の政府高官や中央銀行関係者が『ウソ』を吐くことが、市場慣行上、そして、一般社会常識上で、許されています。
各国の政府高官や中央銀行関係者は、事前に、そういったこと(金融政策)を知ることが出来ます。ということは、その情報を使えば、巨万の富を得ることが出来ます。しかし、それを行うことは、当然に、犯罪ですし、各国の政府高官や中央銀行関係者は、そういったことを行わない高邁な精神が要求されます。
自分で、そういった情報を利用しなくとも、マーケット(金融市場)に、余計な思惑を、強く抱かせるような言動は、好ましくないのです。
だから、トリシェECB総裁は、「マーケットの思惑の裏をかくような演技」をすることがあります。

(3)今後のユーロ市場はどのようになるとお考えですか。
(ドルからユーロへの流れは?ポンドと同じレートまで行く?松田さんのお考えをお願い
いたします)

現在は、「ユーロ高トレンド」が続いていると考えています。この「ユーロ高」は、基本的に、対米ドルのことです。つまり、「ユーロ高ドル安」です。
対円でも、現在の時点では、「ユーロ高トレンド」が続いていますが、この上昇スピードは今後、遅くなるだろう、と考えています。場合によっては、調整下落も視野に入れるべき、と考えています。
ですから、ユーロ/米ドルレートは、1.4000、1.4500を超えて、さらに上昇して行くだろうと考えます。
ユーロ/円レートは、「155円から175円程度」でのゾーンでの、「高値圏での持ち合い」に推移して行く、つまり、高原状態になるだろう、と考えています。




今週のテーマ:アンワインド (2007年7月30日)

(1)アンワインドとは、どんな動きを指すのでしょうか?

【アンワインド】(unwind)は、英語で、「ほどく、ほどける、巻きを戻す、巻き戻る」という意味です。
「円キャリー・トレード」を解消する場合に良く使われる言葉です。
「円キャリー・トレード」とは、『円資金を低金利で借り入れて、外貨資産に運用する』といった投資手法のことです。

(2)アンワインドの原因には、どんな状況(背景)が考えられますか?

「円キャリー・トレードのアンワインド(解消・巻き戻し)」が起こるときは、一般に、
「質への逃避」"Fly to quality"が起きているときです。

「質への逃避」"Fly to quality"とは、金融市場が混乱して、先行きに対する不安が著しく高まった時、リスクを避けるために「より安全性(信用度)・流動性(換金性)の高い投資対象」を投資家が求めてとる行動のことです。
投資家の不安心理が高まると、相対的にリスクが低く流動性が高い投資対象へ資金をシフトする傾向があります。
具体的な「質への逃避」の例を挙げると、
【1】 新興諸国市場から先進国市場への資金シフトすること
【2】 為替変動リスクを回避するために、資金を自国の金融商品にシフトすること
【3】 株式投資から債券投資への資金シフトすること
【4】 債券の中でも社債や住宅ローン担保証券などから国債への資金シフトすること

(3)最近のアンワインドの事例を教えてください。
(先週末の急落に触れていただいてもOKです)

「円キャリー・トレードのアンワインド(解消・巻き戻し)」の最近の事例では、2007年2月下旬から3月上旬に起きた「上海株ショック」が挙げられます。
この「上海株ショック」の際には、米ドル/円レートは、121円から115円に、大きく落ちています。

また、この7月下旬になって、サブプライム・ローン問題を材料に、ドル売りが広がっています。サブプライム・ローン問題は、「米国へ投資されている資金の引き上げ」を促しています。
このことは、リスクを回避する、つまり、ヘッジ(Hedge)の意識を高めて、"Fly to Quality"(質への逃避)を起こしています。このところ、活発に、拡大していた円キャリー・トレードのアンワインド(買戻し)が出て、「円買い」が加速しています。



新生銀行 外貨メール ◆ 外貨談義 ◆  2007年07月23日
今週のテーマ:ポートフォリオ

@ポートフォリオとは何でしょう。また、その意義を教えてください。
 (※超低金利時代など現世背景をふまえてお願いいたします)

ポートフォリオ(Portfolio)の、本来の意味は、書類などを挟んでおく文房具、ペーパー・ホールダーのこと。
 金融に関して、ポートフォリオといった場合は、資産を複数の金融商品に分散投資をすること、また、その投資した金融商品の組み合わせのこと。
 資産を分散投資することで、リスクを軽減し、効率的にリターン(利益)を追及することが、ポートフォリオを組む目的。
現在のように、円金利が超低金利政策を採っているような場合は、通常の金利水準の外貨投資をポートフォリオに組み入れることで、リターン(利益)を追求できる。

Aポートフォリオを組み立てる際、軸やスタンスを決めるコツはありますか?

 例えば、米ドルとユーロを組み合わせるとか、具体例を入れていただけますでしょうか。
ポートフォリオを組む際に、すべての資金を、リターン(利益)を追求する金融商品につぎ込むのではなく、一定の金額は、ローリスク・ローリターンであっても、安定した金融商品にも入れておくこと。
もちろん、そればかりでは、トータルの利回りは悪くなるので、ハイリターンの金融商品に資金を回す必要がある。
 現在の円金利は、0.5%であるが、ドル金利は、5.25%、ユーロ金利は、4.0%。こういった円に比べて、高金利の外貨に一定の資金を分散投資することで、トータルの利回りを高くできる。

Bプロのディーラーはどのようなポートフォリオを組むのでしょう。

 外貨投資を行っているディーラー(外国為替ディーラー)は、基本的には、そういった金利を狙ったポートフォリオを組むのではなく、為替変動によるキャピタル・ゲイン(為替売買益)を狙ってポートフォリオを組みます。
 たとえば、ユーロが対円で上昇傾向にあるのならば、「ユーロ買い円売り」といったポートフォリオを組みます。あるいは、ユーロが対ドルで上昇傾向にあるのならば、「ユーロ買いドル売り」といったポートフォリオを組みます。
 為替変動にはリスクがありますが、そのリスクを取ることで、リターンを追求します。
 リスクがなければ、変動もないので、キャピタル・ゲイン(為替売買益)は起こりません。



新生銀行 外貨メール ◆ 外貨談義 ◆  2007年06月25日
今週のテーマ:購買力平価

海外から戻ってきた友人が○○○バックスのコーヒーを米国では2米ドルだったのが、
日本では360円することに驚いていました。。。

今週のテーマ:購買力平価

@購買力平価を簡単に教えていただけますか。
 (できるだけ、平易な言葉で教えていただけますでしょうか)

 通貨の価値(価格)は、「物品を買う力」(=購買力)で表されます。
 つまり、2つの通貨(2国間の通貨)を比較する場合には、『同一の物品を買うのに、どれだけのお金が必要か?』を考えれば良いことになります。

 だから、『同一の物品を買うのに、それぞれ2つの通貨で、どれだけのお金が必要か?』を調べて、その、それぞれの金額が等しい通貨価値である、と考えれば、外国為替レートが求められる、ことになります。

 外国為替レートとは、2つの通貨(2国間の通貨)の交換比率を表したものです。だからその均衡する価値で為替レートが決まる、と考えるものです。

A購買力平価の観点で考えると、円の価値はまだ高いのでしょうか?

 購買力平価説は、実際の為替レートの決定要因になりませんでした。それは、実際の歴史が証明しています。
 つまり、購買力平価説は、間違っていたことになります。
 あるいは、購買力平価説だけでは、為替レートを説明できない、と言い換えるなら、誰も異を唱えないでしょう。

 だから、購買力平価で、円の価値を考えることは、意義がありません。(判断を誤るもとになります。)

B購買力平価をビッグマックで計算すると聞いたことがあるのですが、なぜビッグマック
なのでしょう。
 (最近は、スタバのコーヒーとも聞きましたが・・・)

 購買力平価は、『同一の物品』を用いて、通貨を比較するのですから、『同一の物品』が世界中で売られていれば、比較をし易いことになります。
 ビッグマックやスターバックスのコーヒーは、同じものが世界中で販売されている、ということです。
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